汗かき、べそかき、自転車漕ぎ、

自転車旅で感じたこと、ぼやきその他いろいろ

歳の数だけ東欧・南欧諸国1万キロ自転車旅第3走:シベリア鉄道鉄道初日。

 

旅のタイトル決めに苦戦している癖っ毛です。

歳の数だけ欧州諸国を自転車で巡る旅。

うーん、少し長い。

歳の数だけ欧州諸国自転車旅。

欧州諸国だと基本的に皆さんドイツ、フランスなど中欧や西欧をイメージしてしまいます。癖っ毛の今回の旅はジョージアウクライナなどあまり人様が好んで行かないところを旅して経験を共有することに大なり小なり大義があると思ってます。そのためこのタイトルでは伝えたいものが伝わらない。

歳の数だけ、というのはキャッチーだし外したくはない…。

 

歳の数だけ東欧・南欧諸国1万キロ自転車旅。

 

うん悪くはないかなあ、と。諸国を入れないと何を歳の数だけするのかイメージしにくいので少し字数増えてしまいますが、これにて旅のタイトル決定!ある程度のインパクトもある、よし。(あれ、どこからか1万キロがやってきた。)

 

いよいよ始まったシベリア鉄道での生活。

ばたばたな乗車から就寝して迎える初めての朝。正直始めはなにもかも手探りで周りの様子を見ながらでした。

乗車してすぐ改めて座席とパスポート、チケットの確認が終わると車掌さんからビニールに閉じられた布類を手渡されました。タオルが入っていたのでこれで顔やら身体を拭くのかなあ、なんて。

 

この日起きてから周りを見て気づいたんですがどうやら布団、敷物と枕のシーツだったようです。こういう旅をする人間ですしあまりそういうのは気にならないタイプなのでいいのですが、自分が良くても他の人も利用するものなので遅ればせながらシーツを付けました。

 

向かいの上下4人席の女性乗客は、シーツを使ってうまく周りから見えないようにして恐らくお着替えなんかをしてました。皆さんそれぞれ工夫し生活しています。ご飯のことやらシャワーのことやらまだまだ気になる点はありました。

 

お腹が鳴ったので朝食をとることにしました。乗車前に買っていたパンとジャムにアレックスさんから頂いた蜂蜜で済ませました。電車内では座りっきりまた寝たきりなので最低限の食事で残り日数も考えて1回2枚で済ませます。

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癖っ毛はキャンプ用品を持ってきていたので自分のを使いましたが、車掌さんに言えばコップやら貸してくれます。また食事の後はトイレの水道でこのように洗います。

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途中停車駅では外の空気を吸ったり、車内は全面禁煙のために喫煙者はホームに降りて一服します。基本的に停車時間は1.2分ですが途中15分程と長く停車する駅の時に皆さん外に出て行きます。1.2分の停車駅は本当にその駅で乗り降りする人だけです。

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午後1時過ぎになりました。基本的に1週間の朝食用でパンを購入しました。昼の調達をしなければいけません。どうしようかなあ、なんて考えておりましたら、ある駅に着いて皆が降りていきました。なんとなくこれは少々長く停まる駅なのではないかと。15分程停車する駅はここまでに2駅程ありましたが、いつ出発するがわからず臆病者の癖っ毛は車内から外の皆の様子を観察するのみでした。典型的な日本人であります癖っ毛は、この駅で皆が降りていくのを見て一緒に勇気を出してホームに降りて見ました。

でもいつ発車するのかわからない。どうしたものか、とうろちょろしていると時刻表を発見しました。スマホに登録したモスクワ時間と照らし合わせながら自分が今どこの駅に停まっているのか、推測してました。どうやら推理が正しければこの駅で約1時間停車する。ただ下手に動いて発車なんて洒落になりませんから近くにいた乗客の方に確認してみました。もちろん癖っ毛はロシア語はできません。おじさんも英語はできない様子。手で必死に”この電車は(約1時間後モスクワ時間で)07:30に発車しますか?”と聞きました。どうやらそのような感じです。駅の待合室まで行き改めて電光掲示板で確認しました。大丈夫そうです。

 

早速ビタミンの不足のためかニキビができてしまったので、野菜などを取りたくスーパーマーケットで調達をしたかった癖っ毛。車内販売ではピロシキやお菓子などで野菜や果物などビタミン系の確保は難しそうです。これから乗る人やこの駅で調達と既に買い物を済ませ大きな袋を抱えてホームに戻る人たちの流れをたどりスーパーマーケットに無事着きました。

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野菜や果物も割高な印象です。ジャガイモなどロシアで生産されているものは特に通常かまた安めですが、輸入商品のためかトマトやバナナなど日本と比べると高いです。そのためお惣菜コーナーで効率よく調達することにしました。マッシュールームのサラダやら美味しそうなものが沢山。まだ贅沢時ではないと一番安くかつちゃんと野菜が沢山入ったものを選びました。指で指してどのお惣菜か伝え、そのあとは容器のサイズを選びます。無事に野菜確保しました。これで日本円で250円程度なので安くはないですが、うまく食べれば3.4食分はあるので一食60円とすれば買ってもよいでしょう。体調を崩してはしょうがないので、身体とお財布とよく相談しながらのお買い物です。

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あとはパンしか買っていなかったので他に主食をと2.3日分のヌードルを購入しました。

 

ここKhabarovskは他の停車駅と比べても少し大きいです。ウラジオストクで同じ車両に乗った韓国人のママ友子供集団もここで下車したのでなにか観光するところでもあるのでしょうか。

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買い物を済ませて車内に戻ると周りの人が入れ替わっていました。恐らくシベリア鉄道をずっと通しで乗る人はいません。観光客でも湖観光がてらイルクーツク辺りで一度降ります。

ウラジオストクからモスクワまで約9500kmで日本で言えば本州、四国、九州をぐるっと海沿いに1周する程の距離はあります。青森を出て1週間、本州、四国そして九州とぐるっと降りずまた青森まで電車に揺られていると考えると恐ろしいものです。今回は自転車の荷物もあり大所帯のためイルクーツク途中下車も考えましたがパスしました。

特に癖っ毛が今回利用している三等車は観光目的でなく、移動目的で現地の方々が利用するのが主のため入れ替わりは激しいです。

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早速調達したお惣菜とヌードルでお昼を済ませました。お惣菜はマカロニサラダ風味で、ソーセージにイモに食べ応えも十分です。ヌードルも一食分60円で少々長くお湯を吸わせ麺を伸ばして量も確保しコスパバッチグーです。

大したことはないけど車内の人との交流も生まれてきました。パンを切るためにナイフを貸してくれるかい、と。お昼に貸すと夜には阿吽の呼吸ですっかりお馴染みの景色になりました。

 

面白いこともありました。ロシア軍の若者が癖っ毛のコートを欲しい、売ってくれと言ってきました。見る目だけは褒めたいです。元々セーリング用で防風防水で中はユニクロのエアリズム1枚でもロシアの寒さの中で十分です。

プーマのアウトレットで買ったもので1万円しました。100ドルしたよ、と伝えましたがじゃあ1000ルーブル(約2000円)でと言ってきました。日本では暑過ぎるくらいでなかなか着る機会もなく5回も着ておらず、まだまだ新しいのでさすがに2000円でわとお断りしました。しばらく粘っていましたが癖っ毛はノーの一点張り。

割と売ることに対しては抵抗はありません。仮に無事に自転車でチェコまで着いたとして帰りの航空券がなかったら、自転車やこの服を売って航空券代稼ごうという考えもあります。ただまだバルト三国、またオーストリアチェコは1月に着く予定でここで防寒具を手離すのはさすがに危険過ぎるので諦めてもらいました。立派なコート、こんな無職が持っているより軍の若者にあげた方がいいのかもわかりませんが、今回ばかりは自分の都合を優先です。申し訳ないです。

 

彼らが去った後、ナイフを貸していたディーカさん(ロシア人中年女性)が寝ている間に盗まれることを懸念したのか隠しなさいと言ってきました。始め何をしたいのか、ロシア語で理解しあぐねていると癖っ毛のコートをイスの下の奥にいれ、取り出しにくいようにバッグで完全な砦を作り上げてしまいました。とても満足げな様子です。大変有難いのですが、以後コートを取り出すのが面倒になり、停車駅でホームに降りる際などコートなしでシャツ1枚で降りる始末となりました。笑

 

まさかコートを売ってくれとは想像もしていませんでした。北国を抜けて、ギリシャなど暖かい国に行くまでは用心しなくてはいけなさそうですね。自転車で走るときは暑くなるので恐らく着ないため、自転車の後ろカゴにでも紐でくくりつけて置いておこうと思いましたが自転車を置いて観光している時に盗まれることもなくはなさそうですね。こればっかりは何も予想できないのでしょうがないと言えばしょうがない。対策のしようもないなあ。

 

そんなこともありながら地球の歩き方でも見て観光スポットなどの下調べをして時間を潰してふと外を見るとすっかり日は沈んでました。

 

この日の夕食は停車駅でピロシキを買いそれで済ませました。ピロシキ1つで100円程。駅価格で少し高いのかなあ。勝手にもう少し安いかななんて思っていました。でも夕食1回100円で済ませられると考えると安上がりです。値段の相場もわからないし、ロシア語で値段を言われてもわからない。とりあえず2つ頼んで150ルーブル出すと、100ルーブルだけ取っていきました。これは多すぎよ、と言わんばかりにピロシキ売りのおばちゃんも呆れたように笑っていました。最低限お腹を満たす程度に1つ食べて、沢山食べてもしょうがないのでもう1つは次の日に取っておきます。

 

車内に戻るとナイフを貸していた隣4人組の中の男の子が話しかけてきました。ローシャという名で17歳で学生さん。本当にロシア人は男性も女性も大人っぽく見える。ここ1日ナイフを貸す仲になりましたが、昼間は貸してくれる?ありがとう。どういたしまして程度のやり取りしかしていませんでした。

 

彼も英語はほぼほぼできませんでしたが、グーグル翻訳を使って沢山質問したりしてくれました。”(ディーカさん含め)僕たちは君に罪を犯さない。友達だ。”などグーグルの翻訳なので多少可笑しな日本語でしたが伝えたいことは伝わりました。ずっと隣の4.5人組は家族かなにかか思っていましたがただの乗客のようです。初めて知り合ったただの乗客同士が世話をし食事を共にして冗談を言い合ったりして笑い合う、なんとも不思議な列車のように思う。日本でも同じ形態の列車があれば同じ光景になるだろうか。

日本であったら隣の人いびきうるさいんだけどとか、おじさんめっちゃ話しかけてくるとかキモいとかツイッターやラインで友達に愚痴るのだろうか。

彼らも同じことを考えているのかもしれない。言葉もわからないし僕には全くわからない。少なくとも癖っ毛の目には他人と隔りなく世間話や冗談を言い温かい素敵な光景に映っている。

 

あと一期一会とはもう時代遅れの言葉なのだろうか。ローシャくんとはインスタグラムでもワッツアップでも繋がった。全世界規模のSNSが存在する今、一生で一度しか会わない接触しないなど逆に不可能なのだろうか。良いのか悪いのかなんて全くわからない。ただデジタルとアナログの狭間の時代に生まれた癖っ毛にとってはなんとも不思議な感覚であります。あとでローシャくんのインスタを見たらこの写真を早速あげてくれていました。なにかで見たのか、美しいと興味がある様子でした。いつか来れる日がくるといいなあ。

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シベリア鉄道1日目は手探りな中でなんとなく生活の大枠も掴めてきました。グーグル翻訳を介してだけど話し相手もでき出会いがありました。

 

癖っ毛の4人席の向かいにある2人上下席は布団を片付けないとテーブルを出せない。昼間邪魔だから布団を上にあげたら片付けられていてどこかに行ってしまった。どうしようなんて困っていた。少し話すようになってからローシャくんとディーカさんが気にかけてくれて聞いてきた。おかげでなんとか布団も確保できて、安心して眠れる。

 

寝る前にふと開いたグーグルマップ。

モスクワまではまだまだです。