汗かき、べそかき、自転車漕ぎ、

自転車旅で感じたこと、ぼやきその他いろいろ

『環島(台湾一周)する方必見』花蓮〜宜蘭間自転車走行は本当に危険なのか?

 

お久しぶりです。癖っ毛です。

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この度2月1日から同月24日までと4週間弱かけて、環島(台湾一周)をしてまいりました。

今は台北松山駅前のカフェにおります。この記事を更新し終えたら、ご褒美に饒河街観光夜市で最後たらふく食べて、深夜便で日本へ戻る予定です。

世界八大サイクリングロードの1つ日月潭でのヒルクライムと2泊3日のキャンプ、世界三大登山鉄道阿里山森林鉄道、懇丁〜台東〜花蓮間の大自然ライドに台湾十大夜市巡りと本当に最高の旅でした。もう挙げていったら切りがなく、話し始めると止まりません...。

 

今回最後の卒業旅行として、4月から社会人となり忙しくなるであろうことからどっぷり孤独や自分の時間を楽しもうとこのブログ、InstagramFacebookまたTwitterでも全く更新せず走って参りました。

 

*途中花蓮地震を受け、無駄に正義感だけはある癖っ毛は風評被害を最小限にするお手伝いができればとInstagramで台湾の魅力を伝えようと2日に1回現地で撮ったお気に入りの写真と今日の15秒と題しストーリーで毎日動画を1つと更新してしまいましたが...。無論、台湾が予想以上に魅力的過ぎたためにこれをひとりで味わうことが苦しく、共有せざるを得なかった部分もありました。

 

そのため走り終えた今も特にどのような旅をしてきたのか、何を感じたのかなど以前の東欧旅のように細かく更新する予定はございません。また台湾旅行のみならず今やこの環島に関してもブログに書籍と情報が溢れており、癖っ毛が共有する必要もないように思う次第です。

 

ただタイトルの通り今回環島の花蓮〜宜蘭間についてどうしても更新したくなった、しなければいけない、そのように感じ今書いております。

なぜそのように感じたか。単純に言うと

事前のネット情報や話と実際走った時に感じた印象とのギャップがあまりにも大きかったからです。

 

大きく5つの柱でこの記事を書いていきます。

1.はじめに

2.現状

3.実際走ってみてどうだったのか

4.もちろん対策はしよう!

5.最後に

ということで、有名ブロガーさんの記事を参考に今環島において花蓮〜宜蘭間がどのように扱われているのか見た後、実際走ってみて交通量や道路幅など感じたこと、そして癖っ毛が行った対策についてとこの流れで進めてまいります。

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1.はじめに

 

まず始めに誤解がないように申し上げなければいけないことがあります。それはこの記事は決して環島において花蓮〜宜蘭間自転車走行を勧める目的で書いている訳ではないことです。勿論ただの自慢でもありません。

 

では、なぜ書くのか。

それは先程も申し上げた通り事前に集めたネット情報と実際走って見た時の印象とのギャップと環島をする多くの方のこの区間における電車選択に対する違和感でした。

 

ギャップに関しては次章以降で扱うとして違和感についてですが、

それは自分で考えることなしに電車選択をしていないか?ということです。

"有名ブロガーさんが電車を使ったから。"

"ホステルの受付の人に危険と言われたから。"

 

花蓮〜宜蘭間を走り終えて感じた違和感でした。偉そうに聞こえたら大変申し訳ありませんが、そのように電車選択をした方が可哀想にすら思えました。それは例えば親が海外に行ったことがなく、"海外は危ないところだからやめなさい"と小さい頃から言われ、考えることなしに"お母さん(おばあちゃん)が危ないというから行かない"と言っている人を見る感覚と似ていました。

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確かに危ないのだけど"でも...でも..."という感じです。上の例に関して極端な例で現代ではあまり起こりにくいとは思います。それは海外がどのようなところか双方の情報が溢れているからです。

海外は危ないところというお母さんやおばあちゃんの意見。に対して海外で楽しそうに過ごす友人のSNS投稿やほっこりするような海外家族動画があり決して危ないだけのところではないと知り、海外に行くか行かないか自分で考え判断することができます。

 

ただ花蓮〜宜蘭間に関して今"お母さんやおばあちゃんの意見"だけが溢れていて情報が偏っています。私自身この区間を走るか走らないか、本当に判断に困りました。それは走行した人の情報が少な過ぎるまたは無いからです。

 

勿論電車輪行をする沢山のブログを読みました。この方も輪行か、この方も、この...。正直私は走ったことがある人を見つけられませんでした。

台東でキャンプをした時そこの管理人のおじさんには今後の行き先を聞かれ答えると、"そこは落石が起こるから危ない。トラックの為の道路で大量のトラックがビュンビュン走っている。一人で行くのはやめた方がいい。"

花蓮での宿泊先の日本語が話せた受付の人にも"自転車ではありませんよね?自転車で行くのは良くないと思います。"と言われました。

 

こうまでなると考えることなしに電車で輪行しようとも考えました。ただ本気で環島と向き合い、全行程を自転車で終えたいがゆえに冷静に情報を整理し、考え自転車で走行することを決断しました。

 

自転車で全行程で終えたかったのはただ頑固なだけではありません。大学2年の時東北一周自転車旅をし終えた後に友達に言われたことがきっかけです。

"でも電車使ったんだろ?"

パンク修理もできないのに飛び出した大学2年の夏。本州最北端青森の大間付近でパンクして以降秋田山形とパンクした状態で走り続けていました。本来は自転車で埼玉の自宅まで戻る予定でしたが、山形県庁へ着き目標だった東北全県庁はとりあえず終えました。もう体力的に精神的にも疲れ、山形からは妥協して新幹線を使って埼玉まで戻ってしまいました。新幹線の切符を購入するお金があれば最低限山形市内であれば自転車屋さんもあるのでパンクも修理できます。ただ新幹線を選択しました。自分の中で逃げの部分があったからこそ、友達の言葉がぐさっと突き刺さりました。

それ以降自転車旅では日程など考慮したり、鹿児島沖縄間で自転車走行が物理的に不可能な場合以外全行程自転車ということに固執しています。実際半年前西日本一周の際、埼玉の自宅を出て沖縄で折り返し最後の新潟県庁へ行き、その後自宅まで自転車でしっかり帰って来た時の達成感や高揚感は忘れられません。その話はここまでにして本題に戻ります。失礼致しました。

 

まずある有名ブロガーさんが輪行を決断したのは台湾観光局の方に電車を勧められたから。台湾観光局という立場上、これで事故でもあったら責任とれず大変だから勧めることはできないだろう。

そして台東のおじさん、花蓮の受付の方ですが話の流れで"環島はした事がありますか?"とお尋ねしたところどちらも自転車での環島経験がない人でした。それはまさしく"海外は危ないところというお母さんやおばあちゃん"です。

 

本当に危険なのだろうか、と何とかとりあえず考えなしに電車輪行することからは脱することができました。そして実際どうなのか自分で調べ始めました。ここの区間に関するブログなどは見当たらず道の様子などはGoogleストリートビューを参考にしました。そしてまたこの区間が環島ルートに設定されており走ったことがある人が少なからずいることなどから花蓮〜宜蘭間を自転車で走行する決断をしました。

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走り終えて本当に本当に走ってよかった。と心の底から思いました。絶景、達成感や人の温かさ。1400km走ってきた中でも上位、いや一番かもしれません。特に忘れられない1日になりました。

 

この区間に関しては"お母さんやおばあちゃんの意見"だけが溢れ、情報が偏っています。その中で考えることなしに単に電車輪行を選択するのは勿体ない、そう強く感じました。

自分自身道路状況や交通量など噂や友達の友達の友達が言っていたというのではなく、実際に走った人の情報があればもっと賢く素早く判断できただろうと思います。

そこで花蓮〜宜蘭間を自転車で走るのか、走らないのか決める際に参考になればとこの記事を書くことにしました。これこそがこの記事を書く大きな目的です。もう一度言います。この記事は決して花蓮〜宜蘭間の自転車走行を進めるためのものではありません。

 

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2.現状

 

 

とツイートさせていただいた様に基本は電車輪行です。投稿した後に調べたところ厳密には昨年の日本人男性サイクリスト落石死亡事故は太魯閣渓谷の国道8号で発生しており今回私が走った国道9号丁ではありませんでした。ただ有名景勝地清水断崖があるこの国道9号丁一部も死亡事故があった太魯閣国立公園の範囲で、落石が多い地形で似ていることから環島する皆さま基本電車で移動することは変わりありません。

中橫九曲洞落石3傷 日男騎單車被砸昏迷[更新] | 社會 | 重點新聞 | 中央社 CNA

※閲覧注意

 

自転車旅で有名な中村洋太さんもこの区間輪行なさっております。話は逸れますが東欧旅ではよく活用したWarm-Showerというアプリを知ったのも西ヨーロッパ自転車旅経験のある中村さんにTwitterのDMで出費費用をお伺いしたことがきっかけでした。

【自転車旅(環島)】「ツール・ド・台湾」(12)花蓮〜宜蘭 | Run to Infinity

 

自転車で台湾を一周する環島について書籍を出された一青妙さんも同様にこの区間電車を利用されています。

台湾環島8日目 花蓮〜宜蘭 70キロ|一青妙オフィシャルブログ「妙的日記」Powered by Ameba

 

また私が環島を知ったきっかけは野島剛さんの東洋経済新報社から出版されている『銀輪の巨人 ジャイアント』でした。日本一周などと比較するとただの学生の貧乏旅とは異なり、台湾のそれは政治的意味や歴史的背景における意味合いが大きいことにとても惹かれました。その後台湾映画『練習曲』を友人に勧められ鑑賞して、ある企業の新卒社員募集の応募シートでは自転車との関わり方の項目について"就職活動終了後台湾一周予定"とも記入する程に環島に惹かれていきました。その野島さんも上記一青妙さんと同イベントで環島をなさっていますが同じく電車で移動なさっております。

https://nojimatsuyoshi.com/2017/10/27/台湾環島day6:長濱(台東)〜礁溪(宜蘭)70キロ/

 

 この記事で野島さんは、"通常の台湾一周では、花蓮から宜蘭にかけての交通量の多くて道が細くなる路線は回避して電車を使って移動する。花蓮駅から宜蘭駅まで電車に揺られ..."と仰っています。この記事自体は環島後に拝見しましたが、"通常の"と言われるとあたかもあの区間を自転車走行した自分が異常で、してはいけない事をしたように感じました。誰にとっての"通常"なのか。通常とはなんだろうと考えてしまいました。

 

とにもかくにも花蓮〜宜蘭間は電車輪行で自転車を使わず移動する方が多いことがお分かりいただけると思います。基本的にこれらを参考にして一般の方もこの区間電車で移動なさいます。

 

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 3.実際どうだったのか

 

 

※こちらのツイートをこの記事内で使用させていただく許可は本人から頂いております。

この区間は○×なので電車でなどのブログの記事やツイートを見ているとどれも具体的な例や画像がない余りにただ漠然とビュンビュントラックや観光バスが行き交い、トンネルはとんでもなく狭く、びくびく怯えながら走っている自分の姿だけ想像されました。

では実際に走ってみてどうだったのか。

 

あれ?そうでもないような?

今まで聞いていた話と違う...

 

この上の方のツイートをもとに検証していきます。あくまで一個人の感想で参考程度にお聞きください。

まず"この間の道路は非常に道幅も狭く..."ということで道路の幅に関してです。結論から言うと台湾の方からすると狭いが日本人からすると一般的少し考えて見てこの"非常に道幅も狭く"問題の謎が解けたように思えました。

 

恐らくこちらのツイートされたじょうた@さんは台湾人の方と複数人で周っており、ルートや宿泊先も任されていたようです。この情報は彼らすなわち台湾の方からでしょう。道幅が狭いから危ないため電車で移動したという日本人の方の記事なども複数ありますが、恐らく現地で得た情報などで彼ら(環島をしている日本人)に道幅が狭いと伝えているのは多くが台湾人でしょう。

では台湾の方にとって狭く日本人からすると一般的である(むしろ私はこれまで狭い狭いと刷り込まれてきたので広いとさえ感じました。)とはどういうことなのか。台湾の方が狭いと言う時彼らには何かしらの基準(比較対象)があるはずです。それは台湾の一般道路です。では台湾の一般道路はどのようか。

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これは雲林縣の環島1号線上のある道路です。一番右から路側帯、自転車用、スクーター用で残り3車線は車です。正直これは少し広めのものになりますが、十分な路側帯と二輪車用のレーンそして車道というのが一般的です。そこで花蓮〜宜蘭間の一部道路を見て見ましょう。具体的に大きさや幅がイメージできるように車が通過するのを待って撮影した1枚です。

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確かに上の街の道路写真と比べると狭いかもしれません。しかし日本人からするとどうでしょうか。上の台湾の一般道路が広すぎるくらいでこの花蓮〜宜蘭間の道路は広いとは言わないまでも特に狭いという印象は抱かないのではないでしょうか。むしろ私の家の前の国道299号より広いと思います。また個人的に富士スカイラインや箱根より広いし安全と感じました。筋力など個人差があるので難しいですが基本的にこの道は龍状でなく蛇状に横にくねくねだらだら走ります。そのため勾配も全く急でなくほぼ平坦で楽だと思います。全くこんなに登らされちゃったよというよりは、断崖絶壁を見てあれこんなに登ってたのかという感じでした。

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結論、道幅は日本人からすると大して狭くない。むしろ箱根や富士スカイラインの方が狭いですし、観光バスが行き交い危ない。普段から日本国内で自転車に乗り慣れている方であれば今回の私のように特に狭いや危険など感じることはないかもしれませんが、まだ自転車を始めたばかりで車とぶつかりそうと車道を走れなかったり恐怖感を感じる方には電車での輪行をおすすめします。

 

ここで上のツイートのトンネルに行く前にちょうど観光バスの話が出たので次にこの区間の交通量のお話をさせていただきます。

私自身ここを走るか走らないか情報を集めている際に"トラックや観光バスなど交通量が多いのもあり電車に乗ることにした。"などの投稿を拝見しました。実際台東のキャンプ場のおじさんにも言われました。Google翻訳を介してでしたので的確に訳せているかは疑問ですが、産業道路でトラックがビュンビュン行き交っているから危ないようなことを言われました。

 

花蓮から蘇澳をつなぐ蘇花航路約100kmを走ってみて、記憶の限り大型観光バス1台に抜かれ、反対車線で合計10台ほどトラックが走っているのを見ました。100kmでこの数字なので少なくともビュンビュンという想像からはかけ離れていました。車とのすれ違いで身の危険を感じたことは一度もありませんでした。実際はもっと走り過ぎていたかもしれませんがあまりに安全で数を記憶するにも値しなかっただけかもしれません。もちろんドライブする一般車は通常通りいました。抽象的に沢山と言われると個人的には都内環八のような渋滞や交通量を想像してしまいますが特に沢山という印象は受けませんでした。大変抽象的ですが一地方の道路という感じです。高雄や台北、台中の街中のような交通量は全くありません。

観光バスがこの公路を走るのは恐らく清水断崖まででしょう。自家用車やレンタルカーで走っている観光客も基本はここまでのように思います。清水断崖は七星潭を過ぎ太魯閣大橋を渡り本格的にこの海岸線に入って5キロ過ぎにあります。なので大半がここまでしか走りません。そのため100kmある中の最初5キロを過ぎると交通量は少なくなりそうです。実際に私もそのように感じました。知らぬ間にどんどん交通量が少なくなっていて、通り過ぎるのは基本カメラをヘルメットに装着し海岸線を楽しんでいるバイク乗りの方がメインでした。

交通量に関しても特に騒ぐ程ではないと感じました。

 

 では続いてトンネルに関して見ていきましょう。

"トンネルが沢山あり危険だそうです"とあります。箱根峠行く前に埼玉から移動していて国道16線だったかのどこかのトンネルで狭い道に信号が青になり動き出した車とトンネルに鳴り響く近づいてくるそれらの轟音で友達とひやひやな思いしたり好むものではないでしょう。なんだか長いトンネルは息苦しくなってきます。

 

で走ってみて正直トンネルが沢山ある印象はなく、100kmの中で身の危険を感じたことは一回もありませんでした。実際に先ほどGoogleマップをもとにトンネルの数を数えてみたところ6つでした。この緑のタグがトンネルがある箇所になります。基本的には海岸線や崖を右手に開けた道を進みます。自分が感じた感覚は間違っていなかったようです。"沢山"とだけ聞くと最低でも10個以上は想像してしまいます。少なくとも私はそうでした。

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 ただトンネルの数が実際多くないとわかったとしてもそれらが狭く長く、交通量が多ければ何の意味もありません。どうだったのか。

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どのトンネルかまでは覚えておらず申し訳ございませんが、6つ全て同じようなので特に問題はないと思います。このトンネルを見て皆さんはどう感じますか?

まず明るさは全く問題ありません。日照時間が短い東欧諸国旅で日没後の走りも考え購入した400ルーメンのフロントライトは1度も使用しませんでした。トンネル内の灯りで十分だったためです。路面も大変綺麗です。日本のいくつかのトンネルのように白線に凸凹があることもなく、排水溝との間に段差もなく大変走りやすいです。日本国内のトンネルを走る時のような恐怖感は一切ありませんでした。幅も問題ありません。日本のトンネルより確実に広く、むしろ日本の一般道程です。先程申し上げた通り交通量は全く問題ありません。

むしろトンネルに関していくつかのトンネルでは換気のためか手彫りか荒々しく外と貫通する穴があり新しい発見で面白く、楽しみながら走りました。あの貫通穴あるかな?どこかな?という感じで毎度わくわくしていました。トンネル内のため現地の方の交通の邪魔になることは避けたく貫通穴の撮影はしませんでした。気になる方はぜひ自分で走ってお確かめください。

 

あと日本でトンネルと言うと登り坂の途中に設けられていて傾斜がありスピードもでず道幅が狭いのでふらついて車にぶつかるのが怖いという方もいると思います。ただ道全体本当に勾配が緩くトンネル前のスピードと変わりなく安定して走れました。具体的にクロスバイクで荷物40kg弱積んだ状態で20km/h下回りませんでした。これも頑張っている漕ぐ感じでなく、周りの景色を楽しみながら余裕をもった状態での走行になります。そのため、事前調べで少し心配していた1.4kmに及ぶ長いトンネルもこの公路間でありますが何も問題なく走ることができました。

 

道路幅、交通量そしてトンネル事情に見てきましたがそれ以外に私が気になっていたことがあります。果たしてこの公路自転車が走行していいのか、できるのか。環島ルートに組み込まれているのだからいいに決まっているだろうと何も当たり前かもしれません。が、Googleストリートビューで道を確認した際にこの自転車禁止標識が気になっていました。

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タネは簡単ですが当時はこの標識だけが目に入りどうなのだろう。もし走行禁止ならば折り返して花蓮から電車を利用するパターンも用意しておりました。実際に当日走った際旧正月ということもあり警察がこの公路上にあちこちいてここから先は通過できないよ、と止められるのではないかと横を過ぎる度にひやひやしておりました。正直この画像もしっかり見れば謎は解けるのですが当初は調べ不足でした。実際に走ってみてわかりました。

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禁止標識の下に"邊溝上面禁行自行車"とあります。つまりこのカラーコーン後ろの段は走ってはいけません、ということでしょう。車道は通常通り走行可能だと思います。車道が怖いと行ってこの段差部分を走る方はいないと思いますが、何はともあれ自転車での走行も物理的また法律的に問題なさそうです。

 

最後に皆さまが心配されることは"落石"についてだと思います。

 冒頭でも紹介しましたが、太魯閣渓谷での自転車イベントに参加予定だった日本人男性が前日に試走していた際渓谷の九曲洞トンネル付近で落石に遭い亡くなられるという事故が昨年発生しました。正直この落石に関しては適当なことは言えません。太魯閣渓谷は前日にバスで、清水断崖がある蘇花公路は今紹介しているよう自転車でと両方足を運びました。確かに渓谷の方は落石が怖いという印象を受けました。5~10m以上の巨大な石が真下にゴロゴロあり、歩道以外は十分に落石防止の補強などがされていない印象がありました。天祥まで行く途中崩れている箇所も拝見しました。バスで来ていてよかった。旧正月ということもあり国内外問わず多くの自転車乗りの方が走っていましたが、すごいなあと眺めていました。さすがに渓谷を走るのは怖いなあという印象でした。

ただ蘇花公路の方は100km走って落石による恐怖を感じませんでした。もちろん反時計回りで環島をする時この区間は海岸側で、崖側とは一定の距離があります。また落石防止の補強もありある程度の安心感が、少なくとも渓谷よりかはありました。

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ただ勿論道隅に時々小さな石があったりしました。落石で直接海岸側のここに来たのか、誰かが車道に落ちた石を走行の邪魔だからと隅に寄せただけなのかはわかりませんが落石の可能性は勿論否定できません。この区間を走行した際合計10名ほどのサイクリストと会いました。2名は同じ宜蘭側へ、他は時計回りで環島をしており反対車線を走行していました。正直渓谷でサイクリストを見た時と同じように崖側の反対車線を走っている方を見る度にすごいなあと思いました。あちら側は少々怖いかなあ。ただこの区間を走っている方は他にもいたということです。またこの10名という数字ですが毎日台湾中走っていましたがほかの区間で会うサイクリストの数と変わりないと思います。特別にこの区間走る自転車の数が少ないということも感じませんでした。

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またこの記事を書くに当たって良いところばかりでなくしっかりと現実も伝えなければなりません。下のような箇所もあったことも事実です。ただこのような崩れた箇所は100km間でここ一箇所のみでした。ちなみにこの箇所は最後東澳から蘇澳に向かう峠途中です。

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東澳から蘇澳間は車道専用道路(国道9号)があり、車はそのトンネルを通るのでこの区間(国道9号丁)は自転車とスクーターしか基本走りません。交通量が全くなく余裕があったので覗き混んで崖下を撮ってみましたが、このような感じになります。

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この区間の落石に関して個人的には、渓谷は確かに危ないがここは反時計回りで海岸側を走る場合そんなに心配しなくてもよいのではないかと思います。渓谷は落石防止の整備の問題や両サイドが崖になっていますから左右から落石の可能性があります。蘇花公路の場合渓谷に比べ整備が進んでいるのと石が落ちてくるのは片側のみとなります。

 

ただ、

落石に関して注意しなければいけないのは天候になります。基本的に雨天時や大雨が降った後に落石や土砂が発生するようです。この記事を書くにあたり蘇花公路での落石に関して少し調べてみました。勿論悲鳴をあげたくなるような大規模なものも過去にあります。ただそれらの画像に大体共通している事はやはり雨が降っている、路面が濡れているまたは砂が湿っていて泥になっていることです。つまりやはり雨が降っている時、雨後に発生したと考えられます。

ちなみに私はこの区間を2月20日に走りました。花蓮に着いたのは2月17日です。この期間の天気を見てみましょう。

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2月17日は曇り時々雨、18日は快晴で花蓮の街をサイクリングしていました。美しい七星潭の景色を拝見することができました。19日も快晴でこの日は宿泊先に自転車を置きバスで太魯閣渓谷に観光に行きました。そして20日は晴れのち曇りでした。基本的に快晴でしたが最後東澳辺りでは雲が出てきました。どれ程参考になるかはわかりませんが私の場合少なくとも前2日と当日は晴れており17日一時雨は降りましたが激しい雨ではありませんでした。落石がなかったのも走行日付近と当日大いに恵まれた天候のお陰だと思います。

実際に淡水で自転車を借りた際大まかにどこを走るのかお兄さんに聞かれました。花蓮〜宜蘭間を走る予定であることも伝えました。特別な反応はありませんでした。ただ、"その区間を走る時雨が降っていたら電車を利用しなさい。"と言われておりました。

話は少し変わりますがこの旅期間世界八大サイクリングロードの日月潭を走りました。日月潭へ登った日は雨でした。翌日も雨だったのでバスで湖畔を観光することにしました。その際バスの窓から軽い土砂や落石のようなものを見て、その区間は片側車線走行になっていました。日月潭入りした日は特に何もなかった道です。これで少し雨と落石また土砂の怖さを感じた私は、花蓮〜宜蘭間を走る際雨が降っていたら大人しくお兄さんのアドバイスに従い電車輪行しようと考えていました。本当に有難いことに天候に恵まれたため、電車を使わず走ることができました。

もし走る場合は走行日だけでなくその前2.3日まで天気を確認しておく必要があると思います。

 

そしてこの章最後に皆さまにお伝えしなければいけないことがあります。それは私がこの区間を走った時期と時間帯です。交通量などのお話をしましたが多かれ少なかれそれらが影響していることは否定できないからです。

私が走ったのは2月20日で台湾における旧正月振替休日の最終日です。つまり祝日です。トラックが少なかったのはこのためかもしれません。ただ祝日なので家族や友人また恋人とドライブする方や観光バスは増えますからなんとも言えないところです。今回のこの交通量を一般化してよいのか難しいところです。

あとは時間帯ですが清水断崖は恐らく昼間になるとドライブや観光バスなどで溢れるのではないかと心配し朝7時過ぎには花蓮の街を出発しました。写真の撮影データから9時手前には太魯閣大橋を渡り海岸線に入っています。清水断崖付近には9時半前後に辿り着いています。

そのためこの情報を鵜呑みにする前に、私が走ったのが旧正月であったことと午前中に走っていることは考慮した方がよさそうです。

なんとも旧正月という特別な時期に走ってしまい皆さまの参考になるのか...申し訳ございません。

 

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4.もちろん対策はしよう!

 

ここまでお読みいただきありがとうございます。皆さまはどのように感じていらっしゃるでしょうか。

"やっぱり危険そうだな、電車を使おう。"

"あれ思っていたよりも安全そうかも、自転車で走ってみようかな。"

人それぞれであると思いますが、この章では自転車で行ってみようかなと思った方に対してこの区間を走る際にすべきことについてお話ししていきます。私がこの区間を走る際にどのような対策をしたのかです。

私が行ったことは3つです。

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1.テールライトの使用

2.視認性の高いウェアの着用

3.御守りの携帯

まずは1.テールライトの使用から見ていきましょう。これはサイクリストであれば当然のこととは思いますが、先ほども申し上げた通りこの区間には6つのトンネルがありますので必須アイテムです。1km以上のものもあります。昼間だから大丈夫でしょ?フロントライトも使わないほどに明るいんでしょ?と思われるかもしれませんが念には念をしっかり自分が走行しているということを車の方に主張しましょう。

また私はこのテールライトをどこにつけるのか試行錯誤しました。通常通り自転車後部に付けてもよいのですが、いちいちトンネルの前後で自転車から降りライトを点けたり消したりしているのではストレスです。ずっと付けっぱなしでもよいのですがいざトンネルを走っている時に電池が切れたのでは意味がありません。

始めはヘルメットに取り付けて走り始めて1つトンネルをくぐり抜けました。走りながら頭の後ろに手を回してスイッチを操作できるのはいいのですが点いているのか確認が難しいです。

その結果私は下の写真のようにハンドルに固定することにしました。左ハンドルに付いています。これであれば走行しながら操作もでき、目で点いているか確認もできます。もっとわかりやすい写真用意しておけばよかったのですが申し訳ございません。このテールライトもフロントライト同様に東欧旅のために購入したもので明るいものになります。

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次に2.視認性の高いウェアです。まさかウクライナの自転車屋さんで泥避けを購入ついでに、安くしてあげるから買いなと言われ購入したこの蛍光ウェアがここで活躍するとは予想していませんでした。この区間トンネルが多いと聞いていて(実際のところ6つ)これは持っていった方がいいかなとなんとなく日本から持ってきていました。

すごく技術的でなく精神論や抽象的なお話になってしまいますが、どれだけこの区間には対して本気なのか他者に伝えるということは走り終わった後大変重要だったように思います。

正直こんなウェアダサいし、クールでないので嫌だと感じている方もいらっしゃるかもしれませんがぜひ着ていただきたいです。

前述のテールライトとこの蛍光ウェアのお陰で事故なく走り切れたのかなと思います。恐らくここを走る台湾のドライバーの方に、"テールライトもしっかり点けて、こんなダサい蛍光ウェアまで来てコイツは本気でこの道と向かい合っているな"と感じさせることができたかなと思います。別にそんなこと感じていないかもしれないし本当のところはわかりませんが、このウェアのお陰か1回もクラクションを鳴らされることもなく、追い越す車も幅に余裕があるところで丁寧に抜いていただいたからこそ事故なく終えることができたと思います。具体的にどうこうというのは難しいですがこの花蓮〜宜蘭間を走るにあたり、この道と真摯に向き合うことはすごく大事なことのように思います。視認性の高いウェアは私なりのそれを示す1つの方法でした。

 

やはり最後は神頼みということで3.御守りの携帯です。この御守りは自分で購入したものではなく、友人が台湾旅行に行った際にお土産としてくれたものです。この区間を走る前日から御守りに無事走れるようお願いをし、当日太魯閣大橋を渡り本格的な蘇花公路が始まる前には首にかけた御守りをぎゅっと握り、"お手柔らかにお願いします"と走り始めました。"自転車旅中に死ねるなら本望で別に落石で死んでもいいのだけどできれば死にたくないかなあ"なんてことを話しかけておりました。それのお陰か無事事故なく美しい大迫力の絶景を見、走り抜けることができました。これもこの道と真摯に向き合う自分なりの方法でした。

 

こいつは最後に何を言っているのだと思われるかもしれません。でもなんとなくこういう馬鹿らしいことが大事な気がします。

例えば"ここの道めっちゃ崖で絶景なんでしょ、インスタ映えしそう。なんで皆ビビって電車なんか使ってるの。落石なんて起こらんしょ。イェーイ。"みたいな態度で走っていたらきっと落石に遭っていたと思うんです、前日や当日が雨とか晴れとかそんなこと関係なしに。

 

ぜひこの記事を読んで、色々考えてこの区間を走ると決めた方には真摯にこの道と向き合っていただきたいなと思います。

 

最後に本当にこの道は素晴らしい道でした。落石や色々リスクはあるかもしれませんが、少なくともそのリスクを張るだけの価値は大いにあります。実際走ってみて工場が沢山あって空気が悪かったりと西海岸のような道だったらこの記事を書こうとは思っていないでしょう。4週間弱で1400km走った中でも本当に一番と言っても過言ではない区間だったために今記事を書いています。台湾十景の清水断崖を含む100kmの絶景。本当に写真ではなかなか伝わらないのが悔しいほどです。横で海の広大さを伝えようとすると断崖の迫力が失われ、縦で撮ると断崖の迫力は収められるが海の広大さがなかなか伝わらない。この写真では伝わらない難しさやもどかしさは太魯閣渓谷にも共通しますが実際の目でみていただきたい。天と海の境目がわからない程の美しい青景色も圧巻だった。また電車を使わず全行程を自転車で環島を終えたというこの上ない達成感。この道は決して100%安全が保障されている道ではない。だからこそバイクや車の運転手からかかる"加油"は、この環島中何度も言われてきたけど特にここの区間でのそれは至上のものでとんでもない力になりました。

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最後東澳の峠を越えて蘇澳の港町が見えた時、

"あー、生きている。生きてまた環島続けられるんだ。よし、あと少し頑張ろう。"

と思いました。あの安堵感というか、達成感というか、不思議な感覚。蘇澳に着く頃にはすっかり曇り空で別に綺麗な景色でもなかったんだけどこの蘇澳の景色は忘れないだろうと思います。

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そしてあの絶景は夢だったのかな、なんて思いながら下り坂に身を任せ宜蘭の街へ下っていくのでした。

 

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5.最後に

 

私がこの区間を走る決断をした、走りたかったのは先ほども申し上げた通り全行程を自転車で行いたかったからです。それに加えて『練習曲』を観た際にこの区間で主人公がパンクしたり、雨に打たれながら必死に走る姿に少なからず心打たれていた部分があったからです。映画の中だろうと言われてしまえばそれまでですがあの彼の姿を見ておきながら、のうのうと電車に揺られることはできませんでした。後は旅をするにあたり、自然や絶景というのは私の中で重きが大きいです。

環島するにも目的やスタイルは人それぞれです。例えば台湾の歴史や寺院を主に置いたとすればこの区間は落石のリスクを負ってまで走る価値はないかもしれません。グルメに目がなく台湾十大夜市巡りを旅のテーマとする人にも同様だと思います。

ただ絶景や自然また達成感だったり運動としての走りごたえを重視するならば、落石などのリスクを負ってまでこの区間自転車では走る価値は大いにあると思います。

本来今回の旅は友人と2人で行う予定でした。ただその友人がインドへ旅行に行き、食中毒に複数回なりました。今回はちょいとパスということで結局またいつものひとり旅となりました。ただその友人がいたら友人の命まで責任は取れないので電車で移動していたかもしれませんし、友人は電車で行かせて私一人で自転車で走っていたかもしれません。わかりません。

ぜひ自分の旅の目的やスタイル、一人なのか複数人なのかなど状況を整理してこの区間自転車で行くのか、行かないのか決める際に少しでもこの記事が参考になれば幸いです。

 

花蓮〜宜蘭間を自転車で走る、走らないに関わらずこれから台湾一周する方の環島が素敵な思い出となることを心より願っております。

 

ここまで長くお読みいただきありがとうございました。

ではでは失礼致します。