汗かき、べそかき、自転車漕ぎ、

自転車旅で感じたこと、ぼやきその他いろいろ

歳の数だけ東欧・南欧諸国1万キロ自転車旅第9走:モスクワ散走。

 

10月22日(日)

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今寝泊まりさせてもらっているパベルさん家のお部屋からです。この日は良い朝でした。こんなに晴れることは珍しいように思います。ここ何日かはどんより曇りでたまに日中晴れ間もあるという感じでした。皆さんご存知の通り昨日は夜6時から寝ていたのでばっちし早朝起床でした。もうこの日は部屋に無駄にいてたまるかとすぐ部屋を出ました。するとオペラは忘れ去られましたがさすがに友人の方が一緒にサイクリングをして街を案内してくださるというのは覚えていたようで、彼女に連絡したよと。予定通り動けそうでよかったです。ただまだ返事がなく日曜日なので朝起きるのも遅いだろうとのことでした。大丈夫かなあ。

この日は日曜で家族でお出かけするのだか鍵を渡されました。これで近くのスーパーなどへも食料調達にいけそうです。昨日から炒め物をつまんだ以外なにも飲み食いしていないのでよかったです…。皆さんが家を出てしばらくしてスーパーに買い出しに行きました。

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こんな漫画みたいな大きな三角形のチーズも100円しません。しつこいですが癖っ毛にとってはスーパーはテーマパークです。しばらく散策して楽しんだあとは朝食とお昼は外に出ているであろうし夕食を滞在分購入しました。黒パンもありましたが普通の白パンの方が安かったです。昔は黒パンは庶民が食べるもので白パンが高級なものとされていたようですが今は異なるようです。ここは出費を抑えていこうと白パンにしました。でもこれでセールというのもありますが20円です。助かります。

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十分に1回4切れほど食べても3.4食分はあります。シベリア鉄道用に買ったジャムも中途半端に残っているのでちょうどいいです。あとは1食12円のヌードルをいくつか買いました。それに日中お腹が空いた時ようにビスケットとビタミン用にほんの気持ちでトマトジュースを買いました。これ全部で200円ほどだったので大満足です。

早速家に戻り朝食を取りました。あとは水道水もフィルターがあるので飲めるよということでした。案内をしてくれる予定のアナスタシアさんからは全然音沙汰なく不安でしたが、後片付けやらブログを書いていたらやっと11時くらいに連絡が来ました。13時にキエフスキー駅での待ち合わせとなりました。

 

さあここで少々壁が立ちはだかる。今まで都市部までパベルさんにくっついて移動していました。もう皆さんお出かけなさってます。そう、自分1人でキエフスキー駅まで行かなくてはなりません。

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グーグルの地図を見て最寄りの郊外電車駅まで自転車で行きます。チケットを買いたかったのですがロシア語…。この発券機では下車駅を選び、表示された金額を投入します。文字入力で記号を入れるだけなので試してみましたがなぜだかうまく行かず目的地が出てこない。(別の日に気づきましたが、右下のEnを押せば英語になります。ちょっと焦っていて見落として勝手に1人苦労していました。)ただ口頭によるチケット窓口もあるのでそちらで購入しました。ただオウムのように待ち合わせ駅であるキエフスキーをくり返していました。ロシアで助かるのは発音はカタカナ発音でも通じることが多いです。ピロシキもこの地名も特に意識せずとも通じます。やはり英語はカタカナ英語だと厳しい部分もありますがそこはロシアの場合なんとかなります。

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本当に公共交通機関の料金はロシア安いです。17kmの距離が70円程です。地元の路線では同じ距離だと250円くらいします。無事切符を手に入れて改札を通りました。そういえば地下鉄や街のミニバス、バス、トロリーバスは全てSuicaのような共通電子カードで乗車できますがこの郊外電車だけは毎回切符の購入が必要になります。運営している会社が異なることはなさそうです。地下鉄やバスは運賃が一律ですが郊外電車は距離によって変わってきます。恐らくそのICタッチのシステムが1つの料金にしか対応していないのではないかと思います。乗車するときにしかタッチしないので、下車駅によって料金が変わる郊外電車はロシアのシステムでは都合が悪いのでしょう。この紙がレシート兼切符となります。バーコードを改札でかざし通ります。

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改札を通ってもまだまだ油断なりません。どのホームの電車がキエフスキーに行くのか。とりあえず近くにいたスタッフさんに聞いてみます。またオウムのようにキエフスキーを繰り返す。とりあえず階段が1.2番ホームと3.4番ホームで別れていましたが1.2番ホームに絞れました。さて次は1番か2番か。改札前の電光掲示板では12:14にモスクワ方面行きがありました。その電車をこのロシア語の案内板から探しました。でもさすがに何日かいるとモスクワのキリル文字は書けはしませんがなんとなく読めるようになってきます。どうやら2番ホームからのようです。郊外電車ですから反対方向に行ったら大変です。本数も多くはなく遠くへ飛ばされてしまいます。

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しばらくするとそれらしき電車が来ました。電車が来た方向にこれから行く方向間違いなさそうです。ここからはキエフスキー駅までは乗り換えもなく1本です。こんな感じで乗せられます。もちろんホームドアがこちら側の場合は自転車を動かして人の乗り降りの邪魔にならないようにします。

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20分もすると目的地に着きました。ひと安心です。13時の集合前に着くことができました。ちょうどお昼の時間で待ち合わせまで時間があるのでシベリア鉄道振りのピロシキです。やっと見つけられました。

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 ロシア語が話せないので味も特定できません。そんな中一番定番だけどやっぱりおいしい挽き肉とネギに当たった時は嬉しいですね。今回は挽き肉でした。あと手渡す時にレンジで温めてから渡してくれるので温かい状態で食べることができてよりおいしいです。日本でピロシキというと揚げていますがロシアでは揚げずに焼くのが基本のようです。そのため胃もたれも特になくぱくぱくいくつも食べられてしまいます。ピロシキ片手にアナスタシアさんを待っていました。

ただここでアナスタシアさんから遅刻するとの連絡が入り、別の改札を出て外にある露店でまた購入して食べながら待ちぼうけ。幸せな時間でした。形もかわいいし大きいし味も満足です。こちらのお店もレンジで温めてくれたのでこれがどうやら基本のようです。これはピロシキではないような気がしますがどうなんでしょう。色々形も味もあって勝手に全部でピロシキで一括りにしてしまっていますがどうだろう。正直パン全般をピロシキと言っているのか定義が定かではないです。本当に見ているだけで癒されます。

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結局アナスタシアさんが来たのが1時半過ぎでした。そこから自転車を乗せて公園に向かいました。事前にどこ行きたいか聞かれていました。美術館やら建造物に自然など。都会の喧騒になんとなく疲れていたので自然系でとお願いしました。張り切って走るのを期待していましたがどうやらそんなにロシアの方は走らないようです。本当にランニングと同じような感じでエキササイズ感覚なのでしょう、電車でどこか移動してその周辺を走るというのが一般的のようです。最低でも自転車に乗る時は50キロ走りたい身としては物足りなさはある気がしましたがお口チャックです。恐らくロシアの場合は車の交通量や自転車道が整備されてないので街中や道路を走るのは難しいのでしょう。

 

バスなんかを使いながら公園を3つほど渡り歩いて園内を走っていました。正直これと言ったハイライトがある訳ではありませんでしたが、いい気分転換にはなりました。また都市部や街では人々の生活を見ることができませんでしたが、日曜日ということもあり多くの人々が公園にいて彼らがなにをしているのか垣間見ることができたのはよかったです。親子で落ち葉をかけあって遊んだり、園内を自転車やランニングして運動していたり。園内に多く温かいティーやコーヒーを飲める自動販売機があるのも寒い国ロシアの特徴でしょうか。日本でも温かい缶コーヒーが飲める自動販売機はなかなかない印象があります。ティーを取り扱っているのは1回も見たことがありません。

この日の朝は近所の車に霜が降りていたので気になったので気温を見ていると朝9時というのもありますがマイナス2度でした。パベルさんの家にいても感じますが非常にティーやコーヒーは日本より日常的なのかなと思います。アナスタシアさんも何度も寒くない?ティーやコーヒーはいる?と聞いて来ました。1日中大丈夫だよ、と言っていたらあなたが明日風邪をひいていなかったら私を殺していいわ、なんて言ってきていました。恐らく癖っ毛に聞いていましたが本人が一番欲しかったのかもしれませんね。途中でなんとなく気づいて欲しかったら買っていいよ、と言いました。身体を温めるためにサイクリング中と最後お別れしたあとにもカフェでコーヒーをもらっていました。まあ飲んでもすぐ冷えるしなあと思い、基本朝買った水で水分補給していたらその様子をありえない、と目を見開いて見ていました。

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公園内にはソビエト時代の近隣支配国との友好の印とそれぞれの国の大きなパビリオンやソビエト含み各国を象徴する金の像16体が立った噴水広場などまたなにか面白い建造物がありました。レーニン像を見た時の反応を見るに恐らくレーニンに対してはロシアの方々は好意的なようです。なんとなく歴史に詳しくはありませんが単にソビエト連邦の指導者として悪名高き人物だと認識していました。自分の勉強不足をひしひしと感じます。それに関しては意外だったので本当にこう旅をしていると歴史を学ぶ意欲を掻き立てられます。歴史事項がただの教科書の中で起こっていることや試験のためものや過去のものではなく、実際に現代へ連続的につながっているものだと認識させられます。

ただここもやはりワールドカップに向けてか工事中で色々カバーがかけられていたり、路面が悪かったりタイミングが悪かったりしました。

 

途中午後5時には街の大きくないロシア正教会に行きました。ちょうど日曜日のためか、式のようなものをやっていました。写真は撮れませんでしたがロシア正教会独特のアイコン画や壁画の中美しい歌声。神父さんと祈りを捧げる信者の方と。さすがに写真や動画は雰囲気に圧倒されて撮れませんでしたがとても厳格な雰囲気で貴重なものを見させていただきました。この正教会の雰囲気の中の美しい歌声で思わず、圧倒されたのかなぜだかうるっときてしまいました。インドネシアで熱心なイスラム教徒を見たときと同じように、日々祈りもなく過ごしている自分がどうしようもない存在のように感じました。本当に宗教とは面白い世界だなあと感じます。

 

そのあとは癖っ毛が気になっていたヴェルサニージュ市場に行きましたが夜で皆店仕舞いをしている時でした。でもマトリョーシカやロシア帽などがずらっと並び特に観光客のためのお土産市場で特に面白いとも感じませんでした。別に時間を設けずについでがてらで行けたのはよかったです。

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近くの駅から電車に乗り朝集合した駅でアナスタシアさんとはお別れしました。こんな感じで完全に自転車ラックが設置されています。すべての車両ということではありません。この自転車ラックがある車両には電車の外装で自転車マークがついているのでわかりやすいです。そういえばアナスタシアさんは日本にも来たことがあるということでしたが、目的は日本のロックアーティストのアニバーサリーライブでした。全くロックの方面はわかりません。ディーエングレイなどいくつか好きなアーティストなどを挙げられていましたが、日本人なのに知らないの、という感じでした。申し訳なかったです。その中にはモスクワでライブをやったアーティストもいるみたいでした。自分の全く知らない日本がロシアで生きているのがなんだか不思議でたまりませんでした。

 

別れたあと帰りの電車はグーグルにお世話になりました。朝の小さな駅とは異なり、いくつもホームがあるのでどの電車が自分の目的地に行くのやら全くわかりかねていました。ただ今のグーグルのルート検索はすごいですね、発車時間や何行きの電車に乗るのかを教えてくれました。それと電光掲示板を見て照らし合わせてどうやら次の1番ホームの電車らしいと乗り込みました。ただ帰りは終着駅で降りるわけではないので自分で降りなければいけません。アナウンスも聞こえないし、端っこに乗ってしまったためか各駅に停車してもホームでそこが何駅か示すものも見当たらない。とりあえず最初の駅から5つ目の駅ということは途中からですが把握して、そろそろかなというところで開いたドアから顔を出してホームの様子を見ました。暗い中ですがよし、これは見覚えがあるな。ここに違いないと思い切って下車しました。改札の方へ歩いて行って途中駅名を示すものを見たら見事目的の駅でした。間一髪です。

 

そんなでなんとかパベルさんの家に帰宅できた次第です。本当はこの日購入する予定でしたがもうお別れした時間も遅く疲れもあったのでサンクトペテルブルク行きのチケットは次の日に買うことにしました。1人で無事帰るのだろうか、さてさて。

 

ではでは失礼いたします。